溶ける温度 - Rebirth -
一呼吸おいて、言葉を続ける。
「美弥。ありがとう」
私がいきなりお礼を言ったことに驚いたのか、美弥は飛び出しかけていた言葉を飲み込んだようだった。
「ありがとう。私のために私に怒ってくれて。もう、十分よ」
その言葉は自然に口からこぼれた。私は美弥を見てゆっくりと笑った。
何秒かぽかんとした顔をしていた美弥だったけれど、次の瞬間にじわ、と目を潤ませた。
あーあ。始まっちゃったよ美弥の泣き癖。
「あ、あきぃぃ、ごめん、ごめんねぇ…っ」
「えー?なんで美弥が謝ってるの。私の話ちゃんと聞いてくれて叱ってくれて。気持ちが軽くなった。ありがと」
「だって、だって、っあき、明季はなんにも悪くないのに、私、明季が心配で心配で」