溶ける温度 - Rebirth -

私自身、ここ一か月の間続いたありえない偶然と奇跡には、いまだに信じられない。それを一気に聞かされた美弥が驚くのも無理ないだろう。

ほくほくと湯気の立つパスタをフォークに絡めながら、私は心情をため息交じりに吐露する。


「いろんなことが急におこって、自分でも整理しきれてないの」


満さんとの結婚破断。
派遣先の契約切れ。
アヴァンシィで働く好機。
大志さんとの奇跡的な再会。

そりゃ美弥が捏造物語と表現するのも当たらずとも遠からずな人生だ。


「そりゃそうよね。しかも、その大志さんとやらは明季を積極的に口説いてくるわけだしね」

「…冗談を素で言える人なのかもしれないけどね」

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