溶ける温度 - Rebirth -

大志さんからもらった連絡先付きの名刺はまだ大切にしまってある。

願ってもない向こうからのアプローチで、しかも私も気にかけていた人で。
私が不利になることなんてないのだから、さっさと連絡をしてしまえばいいのだろうけれど。

だけど、どこか踏ん切りがつかないのは、
もう二度と傷つきたくないと思っている私の心の叫びなのだろうか。
恋愛に臆病になっている、弱い自分のせいなのだろうか。

それとも他に枷となっている理由があるのかな___

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