溶ける温度 - Rebirth -
実際、もともと根に持つようなタイプの人ではないと思う。今だってアヴァンシィは開店しているけれど、こうして美弥とのランチに行かせてくれたわけだし。
口はよくないかもしれないけれど、もともと優しい真さん。そう考えれば、あの不機嫌さも私の勘違いだったようにも思える。
そう一人で納得すると、そろそろ空になってしまったパスタ皿のソースを口にした。
このトマトソース、見た目も色鮮やかだし胡椒もきいていていい感じ。真さんに新メニューの提案をしてみよう。
でも、美弥はどうしてそんなことを聞くのだろう?真さんは今話に関係ないはずなのに。
美弥からの質問の意図も分からないまま、きょとんとしてしまった私をよそに、昼ドラ展開も近いかな、とぼそっと呟いていた。