溶ける温度 - Rebirth -
愛子は初めて来たこの部屋が珍しいのか、ソファにぴょんと飛び乗るとふかふかのすわり心地にご満悦の様子だ。
そんな様子を観ながら私と春子ちゃんの分の珈琲と、愛子用にオレンジジュースをいれる。
「本当にいきなりごめんね。久しぶりにこっちに遊びにこようかなぁって思いたっちゃったの」
「いつでも気軽に来てよ。春子ちゃんだけじゃなくて愛子にも会えるなんて、嬉しいばかりなんだから」
「ありがとう。私も明季ちゃんに会えて嬉しい」
ふふ、とまた上品に笑う春子ちゃんは手土産に持ってきてくれたケーキを机に並べてくれた。
淹れ終わった珈琲とオレンジジュースを並べ、愛子も呼んで、少し早いおやつタイムだ。
「都内に用事があったの?ここまでくるの、遠かったでしょ」