溶ける温度 - Rebirth -
おそらく、両親には結婚の話を伝えていたからそこから話がいったんだろう。
式はいつなの?と聞いてくる春子ちゃんに、誤魔化しても仕方ないと思い、素直に現状を告げた。
「破談になったの」
「……え!?」
「ふられちゃって。ここ1ヶ月ぐらい前の話なんだけどね」
「…そう、だったの…」
「でも大丈夫。そろそろ立ち直らなきゃって思ってるところなの。その話をさっき美弥ともしてたんだけどね」
春子ちゃんに心配をかけさせたくなくて、私はできる限り明るいトーンで伝える。
傷が癒えていないことは確かだけれど、いつまでもそこに立ち止まっているわけにはいかないこともわかってる。