好きになったのがたまたま幼なじみだっただけ
「へ?前に、ダイスケと一緒に帰ってた子」
「うわ、あれ見られてたのか!俺、あの子にレシピ聞いてたの」
少し焦ったように言うダイスケ。
そうだったんだ…。
ちゃんと記録を残せたからいいものの、ダイスケに彼女ができたと勘違いしたあの日からしばらくあたしは、ショックでしばらく立ち上がれなかった。
「彼女かなって思って、空気読んでみたんだ。ごめんね、迷惑かけちゃって」
「まあ、いいけどさ、ちょっと寂しかった。だから明日から、またよろしくな?」
「うんっ」
「それと…。もしさ、俺が国立で優勝したら……一個お願い聞いてくんね?」
いつになく真剣な表情で言うダイスケ。
そんなダイスケからあたしは目がはなせない。
「お願い…?」
「ん、お願い。だから、1月まで俺のこと応援してて?」
あたしはうなずくことしかできなかった。