齧り付いて、内出血
久世はもともと私のバイト先のコンビニの常連だった。
「ラッキーストライクください。」
毎回その一言を言うから、久世が入ってきたら自動的にラッキーストライクを用意するようになっていた。
そんなわけで煙草ケースに並ぶ数々の銘柄の中で一番最初に位置を覚えたのはラッキーストライクだった。
近寄りがたいけれど目を引く容姿をしている常連さんが吸っている煙草。
それってどんなものだろう。
今では違う銘柄を買っているけれど、これが私が煙草に手をつけた理由。
こう考えると、久世はつくづく私に良くない影響を与えている。
悪い男だ。
いらっしゃいませこんにちは
ありがとうございます、またお越しくださいませ
何か月も交わす言葉といえば店員とお客さんの決まりきった文句だけだったのに、それが変わったのは突然だった。