齧り付いて、内出血

スキニーデニムに、縄網の白いセーター。

いつも大学に行くのと何ら変わりない服装。

…一応、一番のお気に入りのコーディネイトなのだけど。

黒のチェスターコートを羽織ってヒールの高いブーツを履いて、準備終了。


「女の準備は長い、の法則を覆したな。」

『そ。メイクも15分かからないようにしてる。』

「へー。いいね、そういうの。」


鍵をしめながら、さっきから気になっていたことを聞くことにした。


『なんで久世は私服着てるの。』

「ちゃんと持って来た。お泊り会か、って思ったけど。」

『…。』

「なんだよ。」

『白のカットソーにジーパンっていういかにも人畜無害そうな恰好してますけどこの男とんでもなく薄情な変態なんですよー。』

「誰に言ってんだ。あー、やっぱそこの激安ラーメンにするか。」

『久世かっこいい。』

「こら。」

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