苦恋症候群
まあ、何はともあれ、今日はもう眠い。

俺はひとつあくびをして、自分のベッドにもぐりこんだ。



「ほら雪妃、もう寝よう。明日は、映画と駅前のカフェ行くんだろ」

「……うん」



駅前のカフェって、外観からしてすごく女の子女の子してる建物だ。男同士なんかじゃまず絶対行かないような。

俺だって多少抵抗あるけど、雪妃がどうしても一緒に行きたいと言うから、まあ仕方ない。


彼女がシャッとカーテンを閉めて、ベッドの下に敷いた布団に身体を滑り込ませた。

俺も雪妃も、寝るときは真っ暗派だ。ベッドボードに置いたリモコンを操作し、部屋の電気を消す。


「明日起きるの、8時くらいでいいよな?」

「うん」

「おやすみ、雪妃」

「……ん。おやすみ、遥」



眠る前の挨拶をしながら目を閉じると、彼女からも言葉が返ってくる。

うとうと、俺は昼間歩き回った疲れもあったのか、すぐに意識が曖昧になった。
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