苦恋症候群
たぶん、まぶたを閉じてから数時間が経った後の、浅い眠りの間。
まどろみの中を、さまよっていたときだった。
ふと、自分のくちびるに何かが触れたような気がして、俺は寝ぼけながら静かに目を開けた。
真っ暗な部屋。だけどカーテンの隙間から差し込む月明かりで、ぼんやりと見ているものの輪郭がわかる。
俺のすぐ目の前には、雪妃がいた。ちょっと、普通の“姉弟”では、ありえない近さで。
なぜか掛け布団は床に落とされ、ベッドに仰向けになっている俺に覆いかぶさるように。彼女は、俺の身体の上に乗っていた。
「え……ゆき、ひ……?」
訳がわからず、ほとんどひとりごとみたいにつぶやく。
……どうして雪妃が、俺の身体にまたがってる?
……さっき、俺のくちびるに、触れたものは?
脳内を占める疑問に、呆然とする。彼女は薄明かりの中、見ているこっちが切なくなるような表情で俺をまっすぐに見下ろしていた。
まどろみの中を、さまよっていたときだった。
ふと、自分のくちびるに何かが触れたような気がして、俺は寝ぼけながら静かに目を開けた。
真っ暗な部屋。だけどカーテンの隙間から差し込む月明かりで、ぼんやりと見ているものの輪郭がわかる。
俺のすぐ目の前には、雪妃がいた。ちょっと、普通の“姉弟”では、ありえない近さで。
なぜか掛け布団は床に落とされ、ベッドに仰向けになっている俺に覆いかぶさるように。彼女は、俺の身体の上に乗っていた。
「え……ゆき、ひ……?」
訳がわからず、ほとんどひとりごとみたいにつぶやく。
……どうして雪妃が、俺の身体にまたがってる?
……さっき、俺のくちびるに、触れたものは?
脳内を占める疑問に、呆然とする。彼女は薄明かりの中、見ているこっちが切なくなるような表情で俺をまっすぐに見下ろしていた。