苦恋症候群
6時過ぎにその日の仕事が終わり、あたしは浮かない気分で帰宅する。
会社から家までは、車で10分ほどだ。アパートに着いてから、のろのろと出かける支度を済ませた。
やっぱり食欲はなくて、少し考えてからあたたかいココアをマグカップに1杯だけ飲む。じんわりそのあたたかさと甘さが身体に染みて、ちょっとだけ気分が落ちついた。
そして、部屋の中の壁時計の針が7時半を2分ほどまわった頃。
マナーモードを解除していたスマホが、メールの着信を知らせた。
【着いた。アパートの前に停めてるから】
……ああ、来てしまった。
その文を読んで、こくりと唾を飲み込む。
コートを羽織り、意を決して玄関のドアを押し開けた。
会社から家までは、車で10分ほどだ。アパートに着いてから、のろのろと出かける支度を済ませた。
やっぱり食欲はなくて、少し考えてからあたたかいココアをマグカップに1杯だけ飲む。じんわりそのあたたかさと甘さが身体に染みて、ちょっとだけ気分が落ちついた。
そして、部屋の中の壁時計の針が7時半を2分ほどまわった頃。
マナーモードを解除していたスマホが、メールの着信を知らせた。
【着いた。アパートの前に停めてるから】
……ああ、来てしまった。
その文を読んで、こくりと唾を飲み込む。
コートを羽織り、意を決して玄関のドアを押し開けた。