苦恋症候群
「どうかしましたか、森下さん」
その問いかけにも無言の私に、ますます三木くんは困惑したようだ。
「なに──」
「……えへへ、別れたの」
え、とテーブル向こうの三木くんが、驚いたように口を開けた。
私はわざとらしく彼から視線を外しながら、運ばれてきたばかりのカシオレを見つめる。
「ていうか、うーん。不倫関係の解消っていうのも、『別れた』って言い方は正しいのかな」
「それは……」
「とりあえずまあ、うん、別れました。さっき、懇親会の前にね」
なんだか無意識に、乾いた笑みを浮かべながらそう言うと。
目の前で、三木くんが持っていたグラスをテーブルに置いたのがわかった。
「……俺のせいですか?」
「えっ」
思いがけない言葉が聞こえ、反射的に顔を上げる。
予想外にじっと彼がこちらを見据えていたから、思わず息を呑んだ。
その問いかけにも無言の私に、ますます三木くんは困惑したようだ。
「なに──」
「……えへへ、別れたの」
え、とテーブル向こうの三木くんが、驚いたように口を開けた。
私はわざとらしく彼から視線を外しながら、運ばれてきたばかりのカシオレを見つめる。
「ていうか、うーん。不倫関係の解消っていうのも、『別れた』って言い方は正しいのかな」
「それは……」
「とりあえずまあ、うん、別れました。さっき、懇親会の前にね」
なんだか無意識に、乾いた笑みを浮かべながらそう言うと。
目の前で、三木くんが持っていたグラスをテーブルに置いたのがわかった。
「……俺のせいですか?」
「えっ」
思いがけない言葉が聞こえ、反射的に顔を上げる。
予想外にじっと彼がこちらを見据えていたから、思わず息を呑んだ。