苦恋症候群
「……んん? なぁに、それ。もしかして、2度と立ち直れなくなるくらいオンナノコこっぴどく振ったことでもあるとか?」

「まあ、当たらずとも遠からず、ですかね。……グラス、空きそうですね。何か頼みますか?」



さりげなく話を逸らされて、それ以上の追及は許されなかった。

彼の表情は、いつもの落ちついたものへと戻っている。

私もとっさに、メニューへと視線を落とした。



「え、あ。じゃあ、カルーアミルクで」

「……よくそんな次から次へと系統の違う酒腹に入れられますね」

「だ、だっておいしいんだもの!」



そうは言うものの、三木くんは店員さんに私の分のお酒を頼んでくれる。

その整った横顔を見ながら、ふぅ、と小さく息をついた。


もしかしたら彼は……思っていた以上に、クセのある人物なのかもしれない。

そんなことを、今さらながら感じていた。
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