Chocolate Fondue
「あの……」
香神の胸が激しく高鳴る。
今、何が起こっているの?
三栗は、香神を抱きしめていた腕をふいにゆるめると、香神をじっと見つめた。
「順番がでたらめなんですけど、僕、あなたのことが好きです」
ゆっくりと近づいてくる三栗の顔を、香神はぼんやりと眺めていた。
避けようと思えば避けられた、逃げ出そうと思えば、腕を振り払えばすむことだった。
香神はただ流れに身を任せて、じっとしていた。