Chocolate Fondue

三栗の唇が静かに触れる。
そして、すぐにその唇が、離れていった……。

三栗の優しい瞳が、香神をじっと見つめた。
香神の意思を確認するように。
香神は、吸い込まれそうな三栗の瞳を見ていることができなくて、そのままパタンと目を閉じた。


再び、お互いの意思で引き寄せられるように、やわらかく唇が重なる。


優しく包み込むような三栗のキスが、心地よくて、周りの音が一切消えた。
香神はただ、唇の感触だけを感じていた。


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