大好きな彼女

はぁぁぁぁ。
疲れるわ、ほんと・・・

「蓮ー、今からまたトラック回んだってー」

優雅がそう俺に叫んだ。
笑顔で元気に走っている優雅。
俺もそれを見て走り出す。

「これ終わったら、どーすんだよ、まず」

多分、優雅は凛花と平田のことを
聞いているんだと思う。

「わかんねぇー、でも、まだ学校にいるのか
いないのか見ねぇーと・・・」

「あっそっか・・・」

俺に追いついた優雅が話しかけてきた。

「また喧嘩すんなよー」

優雅は眉間にシワを寄せて言ってきた。

「んなの・・・・わかってるっつーの」

優雅は俺のペースに合わせて一緒に走ってくれている。

・・・こいつ、こういう時は優しいんだよな。
いつもはガヤガヤうるさいくせに・・・

「お前、何見てんだよ。気持ち悪りぃー」

俺は、優雅をずっと見てたみたいだ。
それも、走りながら。

こんなに、こいつを見つめたの、初めて
かもしれない。

「なんでもねぇーと」

「まさか、俺のことかっこいいとか思った?」

「おもわねぇー」

でも、よく見ると・・・顔は結構整っていて
男の俺でも見惚れるくらいだ。




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