たらしの天然王子様。


あっっ。



車道を挟んで向こうの道にたくくんがいた。


大げさかもだけど、奇跡だと思った。

たくくんも、うちの姿に気づき、
道路越しだけど、2人で笑って。

なんか、幸せで。

鼓動も、すごくて。

どんどん、狭くなっていく道路だから、
お互いの距離も近づいていく。


何か、何か話しかけなきゃと思って出た一言は、

「真夏美(まなみ)ちゃん家知ってる?」

その一言だった。

ばかだ。自分。

ただ誘ってるのと一緒じゃん。


まぁ、誰かには聞かないと、日曜日渡しに行く約束してたし。

でも、聞く相手間違えた?

まぁいっか。




「知ってるよ。行きたい感じ?」

「うん。あっ違うの。なんてゆーか、
日曜日に配りにに行こうかなって思って て、でも、真夏美ちゃん家だけ、わかん なくてさ。。

だから、 一緒に行かない??」


何言っちゃってんの!?

自分!?

馬鹿!馬鹿!馬鹿!




「別に、いいけど、2人だけ?」

ですよね。。。

おかしいですよね。

付き合ってもないのに。
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