パパは幼なじみ
ぬるいオレンジジュースを、徹くんは一気に飲み干した。

「明正に頼まれて、僕はどうしたと思う?」
「言わなかったの…?」
「ちょっと違うかな…」


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 「ありさちゃん、話したいんだけど…」
 「いいよ~!あれ?あっきは~?」
 「2人の内緒のお話だから。」

 次の日、幼稚園でありさに話かけた。明正
 に頼まれてたことを伝えるか、まだ迷って  た。

 「内緒?なんで~?あっきだけ仲間外れダ   メだよ~?」
 「…大事なの?明正のこと。」
 「うん!あっきのこと、大事だよ!」

 ありさが語尾を伸ばさなかった。本当に強  く思ってるんだ。僕は決めた。

 「明正に伝えてって頼まれたんだ。引っ越
  す日が決まったって。」
 「本当~?」
 「…3月17日だよ。その日、内緒で明正の
  こと見送りに行こ?驚かせるために内緒」
 「そっか~!内緒ね~!」

 最後の日に、明正とありさを会わせない。
 それが僕の決めたこと。
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