友達が童貞を卒業したので僕も童貞を卒業しようと試みましたがそれはとても難しい事でした

羽山 心[ハヤマ ココロ]

「髪はかっこよくても顔がね…。」

羽山がボソリと呟いた。

「嘘っ!?俺って不細工?!」

「不細工ー…ではないけど…。」

羽山はポーチから小さなハサミを取りだした。
そして、

「ちょっと、じっとしてて。」

羽山の顔が近づいて
心なしかドキドキする。
そしてハサミを突きだし…。

「殺さないでーっ!!!」

「殺さないっつの。
ちょっと黙って。」

なんて怒られながら
ハサミのチョキチョキという音がする。

「はい。いいよ。」

そう言って羽山は手鏡を俺に見せる。

「おぉっ!!!」

鏡を見ると俺の眉は綺麗に整えられていた。

「これが俺…?かっこいい…。」

自分の顔にうっとりする俺を見ながら
羽山は小さく笑った。
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