幼なじみと秘密の時間
教室に戻ると、和弥と目が合った。

私がニコッと笑うと、和弥が満足そうに
微笑んだ。


「ただいま!」


和弥の隣に、座りながら言うと


「おかえり。ちゃんと話せたんだ…」


「うん。

舞に、全部バレててビックリだった」


「全部って?」


「和弥が中学の時から、私のこと好きだったとか
私も、和弥にヤキモチ焼いてたとか」


和弥の耳元で、小声で話すと。


「何だ、そっちか」


「あ、順番間違えてるから、分かんなくなるだよ!って言われたよ」


「あーそっちもバレてたか」


和弥は、頭をかかえた。
そして、2人で苦笑い。。



学校から、2人で手を繋いで帰るように
なったから、あっという間に私たちのことは
広まった!



「何だー。結局付き合ってるじゃん」


って私は、影で少し言われたけど。



「ウソーショックー!」


「やだー、ウソって言ってー」


たくさんの女の子たちは、泣いていた。



それでも私たちは、堂々としていようって
決めた。

かなり遅かったけど、やっと素直に気持ちを
伝えることが出来て、満足してたから。


そして、両思いになった幸せを感じていたから。








そして、あっという間に
明日から冬休み!


「やったぁー終わったー」


和弥が両手を上げて、伸びている。


「和弥に邪魔ばっかされて、全然勉強してなかったけど、テストも何とかクリア出来たしね」


「何だよ、蘭だって結局良くなってたじゃん。

気持ち良、うっ…」


「ちょっと教室で、そーゆーこと
言わないで!」


昼間の教室に、相応しくない発言をしそうだった
から、和弥の口を急いで塞いだ。






和弥と帰ろうとすると、教室の外にたくさんの
和弥ファンがぞろっと集まっていた。


その数の多さに、さすがの和弥も驚いている。



「そこ、どいてくんない?」


「和弥くん、私たちにちゃんと説明して。
蘭ちゃんと付き合ってるって、本当なの?」


「そーだけど。何でお前らに、わざわざ言わなきゃいけねぇーの?」


「ちょっと、和弥っ」


私が、間に入るも止められる。


「ヒドい!私たち、こんなに和弥くんを
想ってきたのに…」


泣き出す人も…。



「別に頼んでねーし、そんな集団で1人のヤツ
想うより、マジで好きなヤツ1人探せよ!」



和弥の言葉に、みんながハッとなって和弥を
見つめている。


「行くぞ!」


和弥は、私の手を握って集団の間をズカズカと
横切って歩き出した。



昇降口まで行った時


「和弥、さっきカッコ良かったよ」


「なっ!!いきなり何だよ!」


和弥は照れて、そっぽ向く。


「前の和弥なら、あんな言葉出てこなかった
よね。」


「うるせー早くどっか行こうぜ!」



私たちは、手を繋いだまま学校を出た。



今日は、どこでデートしようかな。






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