幼なじみと秘密の時間
昼休み、私と舞はお弁当を持って
屋上に来た。


思ったより風もなくて、太陽がポカポカしていた。




何も聞かない舞に、私は話始めた。
話終えると、舞が口を開いた。



「そっか中学の時から、こーなるって
分かってて、それでも付き合いたいって
すごいね。 

すごい、スキだったんだねー」


「私、祐希に見せる顔がないよ…」


「蘭がそんな顔してた方が、祐希くん
怒ると思うけど?」   


「そーだよね。次に祐希に会うときには
胸張っていられるよーに、しなきゃ!」


「そうそう!

でも、あっちはもう少しガマンを
覚えさせないと。蘭が壊れるよ」


「え?…和弥のこと…?」


「それ以外いないでしょ」


「はい!舞先生!!」


私は、笑いを堪えながら言った。


「奏斗も言ってた。
和弥は、蘭に依存してるんだから
我慢しないで、さっさと告れよって。

今はいいけどさっ。
まぁやっと付き合えたのに、こんなこと
言ってもムダか!」


「うん、今は考えられない」


「でも本当さ、何で今まで好きって言わないかねー。
私たち、中学の時から蘭のこと
好きって気付いてたけどな」


「そーなの?教えてよー!」


「だって本人は言わないし、蘭も祐希くんと
付き合い始めるから、言えないよねー」


「そーだよねーごめん」


「蘭は、いつ好きって気付いたの?
中学の時は、まだ違ったよね?」


「うん、特別だったけど、それが好きってこと
なのか、よくわかんなくて…。
だから祐希に告られて、仲良くなったら
祐希もいいなぁーって思っちゃったし。

和弥のことは、ずっと好きだったって
最近分かったの」


「まー確かに蘭も、和弥くんにヤキモチ
焼いてたよねー。

それに気付いてなさそーだったけどさ。
他の女といたの見た時、明らかにムスッとしてた」


「えー!全部、舞にバレてたなんて…」



「順番間違えてるから、分かんなくなるんだって。
先にやることやっちゃうからさー」


「うっ…」



ズバッと正論を言われて、反論出来なかった。

はい、舞様の言う通りでございます。



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