幼なじみと秘密の時間
その後は、スープにメインの肉料理・コーヒー
デザートの盛り合わせを堪能した。


「どれもおいしかったぁー」


「蘭は本当、旨そうに食うよな」   


「だって美味しいんだもん!」
  


和弥は私を見て、優しく微笑むと
ポケットから何かを出した。

  

「蘭…左手出して」

 
「え?左手…?」


「うん、目も閉じて」


「うん?」


私は、突然のことに戸惑いながらも、
左手を出して、目を閉じた。


しばらくして、左手に何かが触れた。



「いいよ」


ゆっくりと目を開けると、左手にキラキラ光る
指輪がはめてあった…。



「うわぁーキレイ…」


「今まで、ちゃんとケジメつけないで
勝手なことして、本当にごめん。

これは、そのお詫びと、あとこれから
蘭を幸せにするって、オレの決意」



「…………」


急に真面目に話す和弥に、驚いた。
和弥が真剣な目をして私を見つめていたから、
私は頷いて、にっこり笑った。


そして、キラキラ光る指輪を見つめた。


「あと、こっちが誕生日プレゼント買ったけど
渡せなかったやつ」


細長い、箱を私の前に置いた。


「え?誕生日プレゼント貰ったよね?」


「あれは、後から買い直したやつ。
こっちが本当は、渡したかったやつ」


箱を開けると、ハートのネックレスが
入っていた。



「渡そうと思ったんだけどさ、お前まだ
祐希と付き合ってたし。

ネックレス、渡すのは違うよなーって
思ったら渡せなかった」


「ビックリした。
そんなに前に、こんな可愛いネックレス
買ってくれてたんだね」


私は、本当に信じられなかった。



「良かった。やっと渡せて。」


「ありがとう」



私は、鏡を出して、ネックレスを付けて
和弥に見せると、満足そうに笑ってくれた。



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