幼なじみと秘密の時間
祐希は、ずっと黙って和弥の話を聞いていたが
やっと口を開いた。



「和弥、お前は勝手だな。
ずっと蘭の側にいたクセに。

他の女とも散々遊んで。
最後は、いいとこ全部持っていきやがって」


「そうだな。」


「オレだって、蘭のこと、本気でスキだった。
まぁお前らって、どー見てもデキてるとしか思えなかったし。告白して、振られる
つもりだった。
まさか、付き合えるなんて思わなかったよ。

蘭にも言ったけど、最後はこうなるって
わかってた。」



「祐希」



「俺と付き合った時は?
焦んなかった訳?」



「焦ったよ。後悔もした。
だから、それを紛らわす為に、他の女と
遊んだ」



「あ、そーゆーこと。

和弥、お前って、俺が思ってたより不器用
なんだな。何でも出来る男だと思ってたから」



「そんなことねぇーよ。
蘭に対しては、全然ダメ」



「それが聞けて、良かった。
お前を嫌いにならずに済むわ。


でもまぁ、悔しいのは本当だし。
1発くらい、殴らせてもらうかなぁ」



祐希は、ニヤニヤしながら、手をボキボキと
鳴らしている。



「あぁ。殴れよ!」



和弥も歯を食いしばった。



「待って!殴るなら、私でしょ」


私が間に入るも、2人に追い出される。


「蘭はあっち行ってろ!
これは男同士の問題だ!!」


「そーだ!蘭は見てろ」


私は、しぶしぶ2人から離れた。



「いいのか?」


「早くやれよ」


祐希は、和弥をじろっと睨むと
今までに見たことない、悔しそうな顔で
和弥を殴った。


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