幼なじみと秘密の時間
ヒサビサのバスケで
教室に入ると、クラスの男の子たちが
寄ってきた。


「蘭ちゃん、おはよー」

「今日も可愛いねー」

「おはよー」

「ねぇー亀崎とは、ただの幼なじみなんでしょ?」

男の子たちは聞いてくる。

「え?そーだけど?」

「やっぱ、そーなんだぁー。
俺たち、入学式で一目惚れしちゃって。
でも、亀崎と付き合ってると思ってたから
今まで話かけるの遠慮してたんだー」

「あっ、そーなんだ」

またその話題かっ…って思って、じゃあねと
席に行こうとしたら、後ろから腕を掴まれる。

振り返ると、男の子たちがニコニコと
して言った。

「今日終わったら、遊び行かない?
カラオケ?ダーツ?何が好き?」

「ごめん、今日は約束あるから…」

「じゃあ明日は?」

「明日は…うーん…」


私が、何て言おうか困ってると


「明日なら予定ない?じゃあ遊ぼうよ」

無理やり決めようとしてきた。


「ごめん、私、彼氏いるから」

と言うと…。


「彼氏いるのかーいない訳ないよねー。
でも1回でいいから、お願い!!!」

「本当ごめんね」

ちょうどそこに、先生が入ってきて
男の子たちは、しぶしぶ席に帰って行った。


はぁ……良かった…
私は自分の席に座った。
窓側の一番後ろの席。
そして、隣は和弥。


チラッと和弥を見ると、反対の窓の外を
機嫌悪そうに睨んでいた。


うわっ、機嫌悪っっ!
何かあったのかな??
朝は、機嫌良かったのに。。
さっき、ファンの子たちから逃げられなかったとか…??


私が色々考えてると、和弥はこっちを
じっーと見つめてくる。
いや、睨んでくる。

恐い……。


私に怒ってる…??


何かした?


考えてもわからず。
隣からの視線は痛い…。


「何?」

「……」

無視??


チラッと和弥を見る。


うっ……視線が痛い。。


「何、怒ってんの?」

「怒ってねーよ」

「睨んでんじゃん…」

「蘭は睨んでねぇーよ」

「じゃあ誰を?」



…………


「言いたくない」

なに、それ。


じゃあまぁいっか…。


私は、先生の話を聞こうと前を向いた。
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