幼なじみと秘密の時間
個室の中にいた大勢が、一目散に
私達の姿を見にきた。


「キャーーーーー」


「すげーーーーー」


「おーーーーーー」



たくさんの声が、1度に聞こえてきた。
その声にハッとした私たちは、唇を離した。



「わっ!!何?何で??」


声のする方を見ると、たくさんの野次馬がいて
腰が抜けそうになった。
すぐに私を祐希が支えてくれて、
その時に、和弥だと思っていたのは
錯覚だと気付いた。



「何だよーお前ら!邪魔すんなよ!」


珍しく強気な祐希!
照れ隠しなんだろうか。



一気に恥ずかしくなる私は、
トイレに逃げ込んだ!


トイレに入っても、外は騒がしい声が
いつまでも聞こえた。
私はしばらくトイレから出られなかった。






そんな中、和弥は1人座り込んで
ガンガン飲みまくっていた。



「和弥、何やってんだよ!
もう、それくらいにしとけ!」


「うるせーほっとけよ!!」


「はい、もう没収ー!」


「高須!ふざけんな!」


舞と奏斗が、必死に止めていたけど
全く止まることなく、飲み続ける和弥。




やがて、そのまま解散になり、ぞろぞろと
店を後にした。



私は、あのまま祐希に送ってもらうことに
なり、和弥の様子を見ることはなかった。




あっと言う間に静まり返る店内。

その中でひたすら、飲み続ける和弥。


何度声かけても止まらない和弥に、奏斗も
止めるのを諦めた。


舞は奏斗の後片付けを手伝っている。
和弥の姿を横目で見ながら。




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