おくすりのじかん
それから林太郎は私にスマホを差し出した。


「見て 俺はずっとまえから祥子さんを知ってる」


凜太郎の顔を見てスマホに視線を移す。


「あ これって……」


「俺の宝物なんだ」


驚いた・・・・・・。


「覚えてるよね」


「覚えてるよ!!!じゃあ……凜太郎が……?」


そこの写っていたのは 忘れもしない
あの公園で私が泣く泣く手放した あの子犬だった。


「おかあさんが言ってた子って凜太郎なの?」


「祥子さんがさずっと泣いてるの窓から見てた。
可愛い犬を抱いてたから……
すごく長い時間だったよね。
置いて歩いてはまた戻って抱き上げて
そしてまた泣いて……俺よりおねえさんだったけど
すごく可愛いなって思ってた」



「やだ~見てたんだ。
だけどありがとう……最近おかあさんから衝撃の事実聞いて
ホッとしたけど ずっと気になってた。
もしかしたら私が殺しちゃったのかって」


「いつも配達に来てるおばさんが
祥子さんのおかあさんだったのも 奇跡だったよ」


私は凜太郎との不思議な縁に感動していた。
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