~D*A doll~
「あれ?莉々香ちゃん」
まさかの、本人が登場してしまった。
リビングと廊下をうろうろしていると、一つの部屋からジーンズだけ履いて上半身裸の諷都君が出てきてしまった。
一瞬固まるあたし。
……どうすれば?
そして視線は自然と諷都君の上半身にいってしまう。
……腹筋すご。
龍翔もすごいけど、諷都君もすごい。
……やばい。
「……ね、諷都君?腹筋……触っていい?」
諷都君の腹筋に魅了されてしまったあたしは、なんともとぼけたことを抜かしてしまっていた。
一瞬諷都君の顔が物凄くこわばる。
……あれ、自分でも何言ってんだろ。
何でもない、と訂正しようとしたとき…。
「……何?筋肉フェチとか?」
意外な言葉が返された。
「……え、う、うん。」
なんで…分かったの?
あたしは極度の筋肉フェチだ。
そして、筋肉よりも更に鎖骨が大好きという、人にあんまり言えない性癖をもってしまっている。
諷都君の顔をガン見していると、小さく諷都君はため息を吐いた。
一瞬拒まれたのかと思って、体が固まったけど…。
「なら、触ってもいいよ」
まさかの、ご許しを頂けた。