~D*A doll~
そして、教室へとつく。
先ほどのチビのことなんて今は忘れよう。
………ふぅ。
扉へと伸ばす指がかすかに震える。
大丈夫。
この教室にだって男はいるんだから。
男はあたしを否定しない。
大丈夫。
そう自分に言い聞かせてドアを勢いよく開けた。
ガラガラーーーーッ。
いくつもの視線があたしに集まる。
ざっとクラスを見回すと、やっぱり不良の集まりなんだなと思った。
いろーんな髪の色が良く目立つ。
茶色、金色、ピンク、緑、紫……。
そして、一瞬だけ見えた赤…。
その「赤」がどこかに引っかかるけれど、特には気にはしなかった。
なに、この派手さ。
やっぱり不良校か。
そして教壇にいる女の先生があたしに声をかける。
「……えーっと?あの、どちら様?」
どちら様って、この学校の制服着てんじゃん。
前の学校より可愛い制服。
「…あたしですかぁー?昨日、転校してきた櫻井莉々香ですぅー。昨日はちょーっと用事があったので、今日からちゃんと来ましたぁ!」
にーっこりと笑って言う。
大体あたしは笑って笑顔を見せれば何とでもなるんだから。
「あ…。転校生の…。えーっと、担任の先生とはもう会いましたよね?えーっと、では、開いてる席に……」
開いてる席に座れって事?
「はぁい!分かりましたぁ」
弱そうな先生だけど…もう一度笑いかけてから、生徒の方へと向く。
そして、男の顔をチェック。
……まぁまぁかな。
でもあんまりチャラそうなのとは絡みたくないけど…。
そして女たちを見る。
女の髪は金、金、金…全員金髪。
この教室に漂っている色んな臭いが混ざり合った甘ったるい匂いは女たちのせいだろうな。
自分自身、臭いには敏感で香水とか嫌いな臭いだと直ぐに気持ちが悪くなってしまうのに。
まぁだからあたしはあんまり香水をつける事はしない。
……まぁ女子は10人ほどいるが、全員ギャルなのでめんどくさそう。
てか少なくない?
一人で考えていると、誰かから声をかけられた。
「………君、可愛いねぇー?どーしたのー?まさか俺らのクラスの転校生とか!?」
まぁまぁカッコいい奴。
…本当に、まぁまぁだけど。