~D*A doll~
うんうんと激しく首を動かす男たちに微笑むと、男の胸から離れて一言。
「最後だからみんなで学校抜け出して遊んじゃおっか?」
とびっきりの笑顔で。
もちろん遊ぶって言ってもただ遊ぶだけじゃ終わらない。
「「「「「「もちろん!」」」」」」
「ふふふ!なら、行こうか?」
それから大喜びの男たちをぞろぞろ引き連れて教室の外へと出る。
学校には教科書など置いていないのでカバンだけ持っている。
そして女たちの横を通った時は、超悔しそうな笑顔を浮かべていて…。
さらにあたしの気分は良くなった。
…あたしそうとう歪んでるなーなんてことを思いながらも、放心している先生が目に入る。
「……先生ぇ?あたし達…気分が悪いので保健室に行って来ていいですかぁ?」
可愛ーく、おしとやかそうに言ってみる。
んまぁ、もちろん効果は抜群。
「え、あ、その?」
急に顔を赤くして、もじもじしだす剥げたおっさん教師。
シャキッとしろよ。
「ありがとうございますぅー。どうせなら、あたし以外みんな早退じゃなくて出席扱いにしてくださいねぇ?」
そして最後に笑顔っと。
これでOK。
また男たちに視線を向けて、「じゃ、行こうか?」そう言って昇降口へと目指した。
もうこの学校に未練なんてものは欠片もない。
しかし最後に面白い出来事もあったが。
超イケメンの先輩らしき人と通りすがった。
まだこの学校に入学して1か月だから誰だか知らないけど。
メガネをかけていて一見真面目そうだった。
でも頭には黒に派手な赤のメッシュが所々入っているから、ヤンキーなんだろうな?
なんて思いながらも、横を通り過ぎた。
この時は、まだこの人をただのイケメンヤンキーとしてしか認識していなかった。
ただの、ヤンキーとしか…。