~D*A doll~
男の温もりだけでいいんだから。
ギューっと抱きしめる力を込めながら思う。
「おい!そこのブスら!何、莉々香のこと悪魔とか言ってんの?」
「だ、だって…!その女に騙されてるんだよ?顔がいいからって調子のってる…」
男たちはあんな女達に、わざわざあたしのために怒ってくれるし。
そのことに優越感を感じ、女達の方へと顔を向け笑みを浮かべる。
それを見てまた怒り出す女。
それにキレる男たち。
もう授業どころではない。
あたしのこのクラスは、珍しくこの進学校でもヤンキーなど派手な男や女が集まっているクラス。
ってか、問題児を集めたようなクラス。
だから、言い争いも半端じゃない。
…さすがにもういいかな?
「あのさ…もう、良いよ?あたしは大丈夫だからぁ」
そう言って抱き着いている男へと視線を移すと、女達に向かっていた顔と打って変わって満面の笑顔で返してくる。
超扱いやすい。
「莉々香、俺と今日はずっといような?今日でサヨナラだろ?少しでも一緒にいるから」
「そんなッ!サヨナラなんてあたしはヤダよ…。これからも、ずっと仲良くしてね?」
ちょーっと視線を伏せて悲しい表情を作るだけでデレッデレッの男達。