隣人





「ねぇ。今夜、合コン行かない?」



社食でランチ中に綾から誘われた。綾は背も高くスレンダーなため社内外問わずよくモテる。


だけど特定の恋人は作らない主義。本人曰く、イイ女は皆で平等に共有しなきゃいけないらしい。


そのせいか彼女の元には合コンのお誘いが絶えることなく舞い込み、週の半分以上は合コンに費やされる日々。



「私なんか行っても浮くだけよ。それに今日は不動産屋に…」

「そんな用事はあと。それに美月、もう少し自分の魅力に気づきなさい」

「魅力?あぁ…庶民ぽいから落としやすいってことでしょ」

「そうじゃないわよ。まーいいわ。とにかく強制参加だから」



そう言ったっきり綾は私の反論を聞いてくれなかった。今はとてもそんな気分じゃないのにな。


帰りの更衣室で私の服装を見るなり綾が激怒したのは言うまでもない。だって合コンなんて行くつもりじゃ無かったから、気の抜けた服装なのは仕方ない。



「これ着て行くわよ」



綾がロッカーに常備している勝負服を私に押し付けてきた。だけどこの服、露出度高すぎ。

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