隣人
それなのに…私はなぜこんな状況になっているのだろう。
昨晩、力ずくで追い出そうとしたのにそれは叶わず、反対に襲われて今は裸のままベッドの中で抱きしめられている。
これじゃ本当にただの都合のいい女だ。
この男からしたら隣にすぐ抱ける女がいて便利なんだろうな。アイドルは派手に女遊びとか出来なそうだし。
でも一般人の私と安易にこんな関係を続けてるのだから、あちこちに都合のいい女をキープしてるのかも。たまたま今日は私だっただけ。
あれ?いま私、悲しいとか思っちゃった?
いやいや、それはないない。絶対にない。
こんな違う世界に生きる軽そうな男は絶対にお断りだ。
その時、けたたましく鳴り響いたスマホ。私のではなく隣人のものだ。
寝起きがかなり悪いこの男。体を揺さぶり鳴り響くスマホを耳元に近づけてやるとようやく電話に出た。
「……あぁ、…いま行く」
フラフラと立ち上がり玄関に向かった彼。
あまりにも危なっかしいので玄関まで見送り扉を開けてやると、彼の部屋の前に立つスーツを着た男性と目が合った。