隣人



"今度の土曜日は空いてる?"


この文面を見てまたかと溜め息をついた。最近は頻繁にデートに誘ってくる。多分だが、彼は私に好意を寄せていると思う。


私も友人としてなら好意は持てるものの、恋人として考えるとそこまで愛情が湧かないのが実際のところで、このまま関係をどう続けていけばいいのか悩んでいるのも事実だ。


いつまでも返信しないわけにもいかず、私は意を決して文面を打った。




*****



土曜日。私の隣には保育士の彼、幸田祐介(こうだゆうすけ)さんがいる。年齢は私の1つ上だ。


水色のシャツにくるぶし丈のチノパンを履き、合コンの時と変わらぬ爽やかさを振りまいている。


最初、デート場所が動物園だと聞いた時は拍子抜けしてしまったが、映画は好みの問題もあるし、あまり二人で密着するような場所は避けたかったから丁度良かった。


デート後にはお揃いのパンダのキーホルダーをプレゼントされ、私的には遠慮したかったがあまりにも無邪気に渡してくるので断れず受け取ってしまう。


その後、すっかり夕食までご馳走になってしまい、アパートの前まで幸田さんが送ってくれた。


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