イケメン王子の花メイド
お母さんは知ってたんだ。
叔母さんが自分の事を嫌っていることに、理由がある事を。
呆れてるんじゃなかった。
……叔母さんを苦しめてるのが自分だって、分かってたんだ。
なのに私は――
「……ごめんなさいね。あなたは関係ないのに、勝手に嫌ってしまっていて」
叔母さんは鼻をすすりながら私に謝って下さった。
私はブンブンと頭を振りながら涙を流す。
私の事も好きになれなかったんだろう。
きっと、どうしても。
「加奈子が死んで、あたし自分の事ばかり考えてたわ。実の妹が死んだっていうのに、あなたの事をどうするかって事ばかり……」
性格が悪くて、本当にごめんなさい。
と、叔母さんはハンカチで涙を拭った。
嫌いになった人を、また好きになるなんてなかなか出来ない。
だから、今も叔母さんは私の事を好きになれないんだ。
それはどうしようもないこと。