イケメン王子の花メイド






――その日の夜。

私は棗様のお部屋で綾小路様とのことをお話ししていた。




「……そうか、それなら良かったな」


「はい……、本当に綾小路様には頭が上がりません」



棗様はベッドに座って私の話を聞いて下さる。

そして少し安心したように笑って、私を見上げた。



「こっちに来い、花」


「……え」



え!?


目を見開いて棗様を見つめると、棗様は自分の隣をぽんぽんと手で叩いて見せた。

まるでここに座れと言わんばかりに……。



「な、なぜ……」


「早く」



ごくりを唾を飲み込んで、私はゆっくり棗様の隣に腰掛けた。

ドキドキと暴れる心臓を意識して、どんどん体の熱も上がってくる。


今はもう棗様と両想い……。

その事実がより私をドキドキさせた。




「花の……そういう新鮮な反応は調子が狂う」


「え……新鮮?」


「可愛くて照れる」




か!?


隣の棗様は自分の言ったことに恥ずかしくなったのか、口元を押さえて溜息を漏らした。

私はそんな姿の棗様を可愛いと思ってしまいました。


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