イケメン王子の花メイド






夜。

お風呂を済ませた棗様がお部屋に戻られて本日最後のお仕事。


明日のスケジュール確認。




「棗様、明日は生徒会で帰りは遅くなられるんですよね?」


「ああ、朝も早く行かなきゃならない。明日は30分早く起こしてくれ」


「かしこまりました」




素早く棗様の指示を手帳にメモする。


棗様も多忙な方だ。

お身体を壊さないように私がしっかり体調管理をしなきゃ!




「では棗様、おやすみなさいませ」


「……花」



お辞儀をして部屋を退出しようとしたところで棗様が私を呼び止めた。

棗様はベッドに座ったまま私の方をじっと見つめている。




「はい」


「これで今日の仕事は終わりか?」


「え?あ、そうですね。でも今からメイドルームで前川さんとレッスンの打ち合わせをします」


「……」




棗様の眉間には深い溝がくっきり。

明らかに不満そうです。



……??

な、何か気に触りましたかでしょうか……。




「多忙だな」


「……え?私がですか?」


「他に誰がいる」




多忙……?

でも確かに、メイドの仕事をしながら合間にレッスンもしてて以前より時間に余裕はなくなった。


お菓子も最近作ってない。


そっか、これは多忙になるのか……。


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