君の命の果てるまで
それからは、いつもの入院と変わらなかった。

おいしくない病院食と、つまらない毎日。

絶対安静だから、売店に行くことさえできない。


だけど、ひとつだけ違ったこと、それは―――


母がいないこと。


母は、いつまで経っても来なかった。

きっと、怒っているんだと思う。


いつだって母は、どんなに忙しい時でも、仕事より私を優先してくれた。

私が入院すると、いつも付きっ切りで看病してくれた。

だけど、さすがにあんなことがあったんだ。

母だって、私の為に来てなんてくれないのかもしれない。


でも、あんまりだ。


1週間経っても姿を見せない母。

私は、どんどん不安になっていった。


私は、母に捨てられたのだろうか。

愛想を尽かされたのだろうか……。


そして、ある朝。


診察に来た朝田に、それとなく聞いてみることにしたんだ。
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