君の命の果てるまで
衝撃
廊下を足音が近付いてきた。
怒られる―――
反射的に身構えてしまう。
ノックの音とともにドアが開いて、入ってきたのは医師だった。
いつもの冴えないおじさんの主治医ではなく、若くてほっそりした先生。
「あ、目が覚めたようだね。気分はどう?」
「……大丈夫です。」
消え入りそうな声で答える。
「入院してから3日も経ってるんだよ。」
「え、3日、ですか?」
「そう。何とか持ち直してくれて、僕もほっとしてるところ。」
素直な人だな、と思った。
それに、怒らないんだ、この先生。
「あの、……面会謝絶ですか?今って。」
「そうだよ。家族以外はね。」
そう言ってから、先生の顔が少し曇ったように見えた。
それがどうしてなのか、私には分からない。
「あ、申し遅れたね。僕は朝田瞭太(あさだ りょうた)です。今回から僕が主治医になったから、これからよろしく。」
「よろしくお願いします。」
「さて、胸の音を聞かせて。どんな理由があったか知らないけど、君が無茶したせいで心臓は大変だ。たぶん、長期の入院になる。それくらいの覚悟はあったよね?」
朝田の優しく諭すような話し方が、なんだか怖い。
「ごめんなさい。」
「僕に謝っても仕方がないよ、お嬢さん。別に、説教する気もないしね。」
そう言って朝田は、少し意地悪そうに微笑んだ。
怒られる―――
反射的に身構えてしまう。
ノックの音とともにドアが開いて、入ってきたのは医師だった。
いつもの冴えないおじさんの主治医ではなく、若くてほっそりした先生。
「あ、目が覚めたようだね。気分はどう?」
「……大丈夫です。」
消え入りそうな声で答える。
「入院してから3日も経ってるんだよ。」
「え、3日、ですか?」
「そう。何とか持ち直してくれて、僕もほっとしてるところ。」
素直な人だな、と思った。
それに、怒らないんだ、この先生。
「あの、……面会謝絶ですか?今って。」
「そうだよ。家族以外はね。」
そう言ってから、先生の顔が少し曇ったように見えた。
それがどうしてなのか、私には分からない。
「あ、申し遅れたね。僕は朝田瞭太(あさだ りょうた)です。今回から僕が主治医になったから、これからよろしく。」
「よろしくお願いします。」
「さて、胸の音を聞かせて。どんな理由があったか知らないけど、君が無茶したせいで心臓は大変だ。たぶん、長期の入院になる。それくらいの覚悟はあったよね?」
朝田の優しく諭すような話し方が、なんだか怖い。
「ごめんなさい。」
「僕に謝っても仕方がないよ、お嬢さん。別に、説教する気もないしね。」
そう言って朝田は、少し意地悪そうに微笑んだ。