ナナイロのキセキ
「・・・だったらもっと、拒むような態度、とれたんじゃないかな。」

「!!」

淡々と、静かな口調が耳に響く。

それは明らかに、私への非難の言葉。


(そんな風に、思ってたの?)


気が付くと、私はポロポロと涙をこぼしていた。

「それは・・・私が本気で拒んでないってことですか?」

精いっぱいの気持ちで、私は亮一さんを見上げる。

「・・・!」

はっと驚いた表情をした亮一さんは、言葉に詰まる。

それでも私は、感情を抑えることができなくて。

「私だって・・・。」

しゃくりあげそうになる声を、必死で保つ。

「私だって、亮一さん以外の人に、

そんなことされたいわけないじゃないですか!!」

「・・・っ!」

ホームに入ってきた電車のドアが、ゆっくりと開く。

「・・・ナナ!」

そのまま走って電車に乗り込もうとした私の腕を、

亮一さんは強くつかんだ。

私はそれを振り切ると、閉まりかけのドアにすべり込む。











< 102 / 261 >

この作品をシェア

pagetop