ナナイロのキセキ
「・・・。」

なんと返事をしたらいいかと、私は悩んで沈黙する。

「・・・ナナちゃん、今日夜空いてる?」

「え?あ、はい。」

「じゃあ飲みに行こ。知り合いがやってるお店があるんだ。」



そうして、有馬さんが仕事帰りに連れて行ってくれたのは、

隣駅の商店街にある、雰囲気のいい小さなバーだった。

「こんにちはー!」

「あ、美希。いらっしゃい。」

扉を開けると、女優さんかと見まがう程のキレイなバーテンさんが、

笑顔で私たちを迎えてくれた。

「中学・高校と、同じバスケ部で先輩だったの。友里さんっていうんだよ。」


(ユリさん・・・めちゃくちゃ顔と合ってるな。)


「は、はじめまして!牧野菜々子といいます。」

「こんにちは。篠崎友里です。美希から聞いて、会えるのを楽しみにしてました。

ゆっくりしていってくださいね。」

そう言って、友里さんはにこっと微笑む。

有馬さんを下の名前で呼ぶ友里さんは、きっと私より5,6歳は上なのだろうけど、

子ども扱いすることもなく、私に丁寧に挨拶をしてくれた。

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