ナナイロのキセキ
あのあと、亮一さんは新幹線で兵庫へと戻って行った。

疲れていないはずはない。

今日もまた、仕事なのに。


(身体、大丈夫かな・・・。)


身体もだけど、交通費だって・・・結構するはず。

たった、あれだけの時間のために、私のために会いに来てくれた。

いろいろ心配する私だけど、やっぱりうれしかったのがいちばんで・・・。

昨日のことを思い出すと、どうしても顔がゆるんでしまう。

言葉のひとつひとつや、キスしたことを思い出す。


(ちょっと、恥ずかしかったりもするけど・・・。)


うれしさを隠せないまま、私は幸せな気持ちで出勤した。



「おはようございます!」

私がお店のドアを開けると、先輩たちがにまにまと出迎える。

「お!牧野さん、来たね!」

「ウフフフ。」

「あらー。もう、意外とやるわねえー!」

などと、なぜかオバチャン口調のみんなに周りを囲まれる。


(え?な、なに???)


いつもと違う様子に戸惑っていると、休憩室から店長が顔を出した。

「・・・あー、牧野さん。ちょっと、こっち来て。」

「は、はい・・・。」


(な、なんだろう・・・。)


そのまま休憩室へ向かおうとすると、「がんばって!」と、先輩たちはなぜか私を激励する。






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