ナナイロのキセキ
「・・・オレが、声かけただろ・・・。」

「えっ?あっ、そ、そうですね・・・。」


(そうか、邪まなんていうから、セクハラ的なことしか考えてなかったけど・・・。)


亮一さんも、お客さんとセラピスト以上の関係を望んでた、という点については、邪まになるのだろうか。

なんとなく恥ずかしくなって、ちょっとだけ顔が熱くなる。

「それに、この前の・・・ホストみたいなヤツも・・・そうじゃないの?」


(ホスト・・・関口さんのことしか心当たりないから、関口さんのことかな・・・。)


やわらかな茶髪で軽いノリの、その人の姿を思い出す。

「でももうお店にも来てないし・・・。

なかなかあそこまでグイグイ来る人も珍しいし・・・。

あとは普通のお客さんですよ。」

「それは・・・いまの時点で、だよね?」

「そうですけど・・・。関口さんはレアケースだし、私は色気もないですから、基本的には大丈夫ですよ!」

「・・・本気でそんなこと、思ってる?」

亮一さんが肘を立てて上半身を半分だけ起こすと、斜め後ろにいる私のことを見た。

メガネをはずした見慣れない顔。

怒っているような表情に、私の胸は、ドキンと鳴った。



< 170 / 261 >

この作品をシェア

pagetop