ナナイロのキセキ
「・・・亮一さん、また私を甘やかしてるでしょう・・・。」

上目づかいでそう言うと、亮一さんはメガネを押し上げやさしく笑った。

「その顔、かわいいな。」

「・・・え!?」

質問と全く関係のない返事。

「その、すねたような怒ったような顔・・・たまにしか見れないけど。」

そう言って私の顔を覗きこむと、大きな手で頬に触れる。

不覚にも、その言葉と仕草に惑わされ、さっきの自分の問いかけを、思わず忘れそうになる。


(い、いけないいけない!)


「話、はぐらかしちゃダメですよ!」

軌道修正するようにそう言うと、亮一さんは思い出したように「ああ」と答える。

「そんなに甘くしてるつもりはないんだけど。

オレ自身としては・・・甘やかしたりないくらい。」

メガネの奥の、私を溶かす甘い瞳。

その目に見つめられ、私はトクンと胸が鳴る。

「・・・前にも言ったけど、好きな子は甘やかしたい。

それで喜んでくれればうれしいし。

とにかくオレが、そうしたいからそうしてる。

だから逆に、オレはものすごく・・・わがままかもね。」



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