ナナイロのキセキ
けれど店長は、表情を変えることもなく、真剣な面持ちで私の話を聞いてくれた。

「そっかあ・・・。」

考えるように呟いて、店長は頬づえをつく。

そのときちょうどオーダーした料理が届いた。

一呼吸入れるように「いただきます」と言うと、私たちはそれぞれの料理に手を伸ばした。

「・・・まあ、確かに彼は無理してるのかもしれないけど、

無理することが苦じゃないんだろうね、あなたのためなら。」

スプーンから、チーズがとろりと落ちていく。

店長の話に耳を傾けながら、私は息を吹きかける。

まだ冷め切っていないそれを飲み込むと、熱さにドキリとするようだった。

「多分・・・そうなんだとは思いますけど・・・。」

「牧野さんは真面目なのよ。すごく。

素直で真面目で、人のことをよく考えてる。

それはものすごく長所だと思うけど、

もっと人に甘えたり、迷惑かけてもいいんじゃないかな。」

「今でも十分甘えてるし、迷惑もかけてると思いますけど・・・。」

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