ナナイロのキセキ
「はい・・・あの、私、明日仕事終わったら、そっちに行きます。」

「・・・え?明日!?」

聞き間違えじゃないかと疑うような、亮一さんの声。

私はそうじゃないと言うように、話しを続ける。

「はい。土曜日も休みをもらったので・・・

明日はそのまま、泊まってもいいですか。」

「・・・それは、もちろんいいけど・・・。急に、どうした?」

明らかに、戸惑っているのが伝わる。

歩みを止めて立ち止まった様子が、周囲の雑踏からわかるようだった。

「どうしても、会って話したいことがあって。」

「それは・・・電話じゃ言えないこと?」

「言えないわけじゃないんですけど・・・。

ちゃんと伝わらなかったらイヤで・・・直接、話したいんです。」

「・・・そっか。わかった。じゃあ明日、待ってるから。」

戸惑いながら、それでもどこか喜んでくれているのがわかる声。

「早く仕事を終わらせるから」、最後にそう言ってくれた声が優しくて、私の胸はドキンと鳴った。

気持ちが高鳴る。

なんて、言われるだろうか。

会えることのうれしさと、転勤を伝える期待と不安。

もし・・・もし、否定的な態度をとられたとしても。

絶対に、そばにいたいって・・・そう、伝えるんだ。

指を弾いて画面を閉じると、私は固く胸に誓った。
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