ナナイロのキセキ
「ああ・・・。まあ、完全にオジサン発言だけど・・・若い子の年齢って、見た目だけじゃ全くわからなくて。もちろん若いとは思ってたけど、牧野さんはしっかりしてるから、24,5かなと思ってたんだ。」
「えっ!?しっかりしてる!?」
(そんなこと、一度も言われたことないけど・・・。)
坂下さんの言葉に、私はかなりびっくりする。
「うん、しっかりしてるよ。接客も丁寧だし、説明もわかりやすいし。」
「そ、そうですか・・・?はじめて言われました。」
「そうなんだ?すごく自然だから、周りの人も、わざわざ口に出さないのかもね。・・・でも、忙しそうなときも、客にそれを感じさせないし、いつも一生懸命だし、すごいなって思ってた。」
「ほ、本当ですか!?内心はめちゃくちゃ焦ってるんですけど・・・。」
買いかぶりすぎなのでは!?とも思ったけれど、実際のお客さんである坂下さんにそう言ってもらえるのは、ものすごくうれしいことだった。
「うん。見た目ももちろんかわいいんだけど・・・、そういうところも、すごく好きだなと思って。」
「えっ!!」
私は動揺し、つかみかけた付け合わせの野菜を、コロンとお皿に落としてしまう。
体温が、5度くらい上昇したような熱さになる。
「あ、ありがとう、ございます・・・。」
なんとかそれだけ言葉をしぼりだすと、坂下さんは、やさしく私に微笑みかけた。