ナナイロのキセキ
「どうした?」

「坂・・・じゃなかった、亮一さん、やさしいなって思って。」

「え?いや・・・そうかな・・・?」

そう言って、視線をそらす亮一さん。


(あ・・・また照れちゃった。)


クールそうなのに、やさしくて、甘くって。

でも、褒めるとすぐに、照れてしまって。


(どうしよう・・・本当に大好き。)


もう少しだけ寄り添おうとした瞬間、

電車が到着するというアナウンスが、ホームに流れる。

「・・・あ、もう来るね。」

「はい・・・。」

好きだという想いが強ければ強いほど、離れることがつらくなってしまう。


(もっと一緒にいたかったな・・・。)


ゴーッと、電車が入ってくる音がする。

「じゃあ・・・。」

ぎゅっと、胸がしめつけられる想いで。

つないでいた手をほどいて歩き出そうとした瞬間、腕をがしっとつかまれる。

驚いて亮一さんを見上げると、そのまま唇が重なった。

何が起こったかわからないくらい、触れただけの、一瞬のキス。
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