私たち、政略結婚しています。
彼にはきっと分からない。
いくら手を伸ばしても届かない気がしていつも不安だった。
そんな私が急に本当に愛されている実感を持てるには時間が足りない。
「今すぐ…お前をめちゃくちゃにしてやりたい。そんな衝動と戦う身にもなれ。
ここは実家だからそんな訳にはいかないだろ。
俺を煽って楽しいか」
言いながら指を絡めてくる克哉の手が、熱い。
「……私だって…同じ気持ちだわ」
とろけるように見つめ返す。
「……このやろ…。煽るなって言ってるのに…」
そっと顔を近付け合った、その時。
コンコン。
「克哉〜?佐奈さんどう?」
ドアをノックする音。
克哉はチッと舌打ちをすると立ち上がった。
「母さん?入っていいよ」
言うや否や、ドアが開いた。