私たち、政略結婚しています。


私の目の前をすっと横切り彼はソファに座った。

「…そんな訳ないじゃない。あんた以外に誰が私と寝てくれるのよ」


「そこら中にいるだろ」

「………そう。じゃあ探して来るわ」


私は玄関に向かった。

拗ねた克哉の機嫌はなかなか良くはならなさそうだ。


靴を履こうとした瞬間、後ろからガバッと抱きしめられた。

「だから。…俺を振り回すなって」

耳元で言ってから、そのまま耳にキスをする。くすぐったくて身体をよじる。

「自分でも分かってるんだ。ガキみたいだって。
だけど……ムカつく。
お前を…誰にも獲られたくない。

………分かれよ」


「知ってる。あんたが私にベタボレだって」

「調子こくな」

「ふふっ…」


そのまま振り返り、私からそっとその唇にキスをした。
閉じられた瞼にも、鼻筋にも。彼の頬を両手で押さえ何度も口づける。

「ははっ。やめろよ…」

「怒らないで。…好き」

「分かった。…分かったから。…こら」


こうして気持ちを伝えよう。
嫉妬も愛すればこその感情だから。

「佐奈…、俺にもさせて」

克哉からもお返しにキスの雨。

そんなに浴びたらまた熱にうなされる。違う熱に。

だけど私は彼にしがみつき、更にねだった。

「だから…あんま可愛くなるなって。我慢してるって言ってるだろ」


克哉の手が、私の服の下から入ってきて背中を撫でる。



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